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認知症発症前に準備できる事

目次

自分がしっかりしているときに準備できる事

終活に関心を持ち、何かしなければならないと考えている人の多くは、自分が亡くなった後のことを心配します。遺産分割をどうするか等です。
おひとり様の場合は、葬儀やお墓のこと等を心配します。
多くの人は、自分が認知症になるということを想定していません。また認知症になってしまうと、何ができなくなるか、どういう不都合が生じるかといったことを知らないことが多いです。
認知症になってしまったらどうなるかということは、以前のブログでも書きましたので割愛させて頂きますが、今回は認知症になる前の、自分に判断能力があるうちに何ができるかについて解説します。

任意後見契約

認知症発症前に将来に備えてできる事の代表は、任意後見契約です。
詳しくは「任意後見について詳しく」をご覧下さい。

継続的見守り契約

継続的見守り契約は、前記の任意後見契約、後記の財産管理等委任契約とセットで契約することが多いです。
任意後見契約は、将来認知症になったときに備えてするものですが、継続的見守り契約はそれ以前の段階をカバーする契約です。

任意後見契約をして、それっきり連絡を取らなければ、任意後見人は本人が今どういう状態なのかを把握することはできません。そのため、定期的に連絡を取り、訪問し、本人の生活状況や健康状態を確認します。本人と話をすることで、趣味嗜好がよりわかり、本人の判断能力がなくなったときに、本人の望むようなライフスタイルを送ることがサポートしやすくなるというメリットもあります。

定期的に本人に連絡を取る場合、こちらから電話するのではなく、本人から電話してもらうという方法をとることが多いです。例えば、毎週月曜日の9時ごろに電話をするという約束をしていて電話がなかった場合、「物忘れが増えてきたかな」といった判断材料になるためです。こちらから電話をして「お変わりありませんか」と聞いても、「大丈夫ですよ」という答えが返ってくるだけです。

任意後見人に同居の家族等がなっている場合は必要ない契約です。一人暮らしのお年寄りには必要な契約だと思われます。

継続的見守り契約は、本人が認知症を発症し、任意後見が発動したところで契約終了となります。

財産管理等委任契約

財産管理委任契約は、上記任意後見契約・継続的見守り契約とセットで契約することが多いです。
任意後見発動前の財産管理をカバーする契約です。
認知症発症前の判断能力のあるひとり暮らしのお年寄りが、救急車で運ばれて入院をしたような場合、家や銀行にお金はあるのに、体が動かず支払いができなくて困ってしまうことがあります。このような場合以外でも、普段から足が悪く銀行に行くのが大変だといったこともあります。
このようなとき、財産管理委任契約をしておけば、代わりに預金を下ろして支払いをしたりしてくれます。

この契約をしたからといって、自分で財産管理ができなくなるわけではありません。必要とするとき、希望に応じてお手伝いをします。契約の時に、何を手伝ってほしいのか、何をしてほしくないのか等を決めておくことができます。

財産管理委任契約も、本人が認知症を発症して任意後見が発動したら契約終了になります。

死後事務委任契約

死後事務委任契約とは、自分が亡くなった後の葬儀や埋葬の事、身も周りの物の整理等を請け負う契約をすることです。
おひとり様のご老人と任意後見契約の話をするとき、本人が心配しているのは、任意後見の事よりも、自分が亡くなった後の葬儀やお墓の事であることが多いです。
自分が亡くなった後も、死後事務委任契約をしておけば、葬儀や病院への清算、必要な方への連絡等をやってくれます。

葬儀などをお願いできる親族がいない、もしくはいても迷惑をかけたくない、頼りたくないといった方が利用しています。

上記の任意後見契約・継続的見守り契約・財産管理等委任契約とあわせて契約しておけば、認知症発症前から発症後、亡くなった後までをカバーすることができます。

今できること

終活について関心がある、何かしなければいけないと思っていても、きっかけがない、何をすればいいか分からない、という方は多いと思います。
上記のような契約をすぐに検討するといったことは、なかなかハードルが高いと思います。

まずはエンディングノートを書き始めてみる、というのはどうでしょうか。自分のこれまでの人生を振り返り、思い出や好きなものを書く、親しい友人の連絡先等を書いておく、財産目録を作ってみる・・・ これらの事を考えると、自分の死後、財産をどうしたいのか等、具体的なプランが浮かんできます。また、認知症を発症してしまった場合、このノートが家族や後見人の貴重な判断材料になります。

もうひとつは、自分が認知症になってしまうということを想定して下さい。みなさん自分は認知症にならないという自信をお持ちですが、65歳以上の5分の1の人が認知症を発症します。認知症になるかもしれない想定をして対策をしておいた場合と、何も対策をしないで認知症になってしまった場合は、本人にもご家族にもその後の対応で大きな違いがあります。
これは是非考えてみてください。

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