家族信託とお年玉
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家族信託とお年玉
みなさんは家族信託を何やら難しいものだとお考えではないですか?
家族信託は決して難しいものではありません。
今回は、家族信託を分かりやすくお年玉に例えてご説明します。
お年玉をもらうと
みなさんは子供の頃、お年玉をもらった経験があると思います。毎月のお小遣い以上の大金をもらえて、ドキドキわくわくしたのではないでしょうか。
もらったお年玉を親が預かるという家庭も多いと思います。私の家もそうでした。親が預かって、何か欲しいものがあるときに、その中から出してくれていました。
子供は意思判断能力が未熟なので、親がお金の管理をしようとするのです。
これって、家族信託と似ていませんか?
家族信託との共通点
家族信託の代表的な形態の認知症対策の場合、認知症になってしまった親(委託者)の財産を子ども(受託者)が預かり、親(受益者)のために使うということになります。
意思判断能力のない子供(委託者)のお年玉を親(受託者)が預かり、子供(受益者)のために使うというのと全く同じです。
子供は、親がお年玉をちゃんと返してくれるのだろうか? ちゃんと何か買ってくれるのだろうか? という心配をします。私も心配でした。ここで例えば、来月発売になるゲームを買うというようなことを、あらかじめ決めておけば子供も安心です。これが信託の目的です。
家族信託の場合は、「受益者が老人ホームに入所する際の入居費用に使う」「日々の生活費を支出する」等の信託の目的を明記します。このことで預けた財産が何に使われるのかが明確になり、委託者は安心して財産を預けられます。これもお年玉を預かる場合と同じですね。
中には預かったお年玉を、生活費に充ててしまったという親もいたと思います。子供との間に合意がなければ、受託者の義務違反になると思われます。
このように、何気なく行っていたお年玉のやりとりは、実は家族信託と全く同じものなのです。家族信託はそれを法律の裏付けの下に、きちんと契約書にしたものです。あまり難しいものと考えずに、お気軽にご相談してみて下さい。
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