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認知症になってしまうと・・・

目次

認知症になる可能性

認知症になってしまう・・・ これは、いつ誰に訪れるかわからない問題です。
自分の死後、配偶者や子どもに苦労を掛けないようにと対策を検討されている方は多くいます。しかし自分が認知症になることを想定し、対策を検討されている方は残念ながら非常に少ないです。
自分がいつか死ぬということは、いつかは分からないけれど、将来確実に起こることと覚悟しますが、発症するかどうかわからない認知症は、確実に起こることではないため、対応がおろそかになってしまいます。
しかし、何も対策をしないまま認知症を発症してしまった場合、家族の苦労は亡くなったとき以上のものになります。

将来的に、令和7年頃には、65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症を発症するという予想が出ています。これが75歳、80歳、85歳と年齢が上がってくれば、確率は益々上がると思われます。
認知症は決して他人事ではありません。

今回は、認知症になってしまったら、日常生活でどういうことが起こるかを解説します。

認知症になったら困ること

銀行口座の凍結

認知症になってしまって、困ることの代表が銀行口座の凍結です。
ただし、銀行が常にお客様が認知症になってなっていないかを監視しているわけではなく、何かのきっかけで銀行が把握をしたら凍結されるということになります。例えば、たまたま行員が近くに住んでいて、認知症になったことを見聞きしたり、本人が窓口に行ったが、名前も言えないような状態だったり、子どもが代わりに何かの手続きにきて、そのときに分かったりといったようなことです。

ご近所で認知症になってしまった方はいると思うのですが、銀行口座が凍結されて困ったという方は、あまり聞いたことがないですよね。これは銀行が本人の認知症発症を把握していない段階で、配偶者や子どもが本人のクレジットカードで預金を下ろしているという状態です。
これは、現状特に困ることはありませんが、法律的には問題のある状態です。クレジットカードの磁気不良や、紛失で再発行の依頼をしたときに発覚して、口座凍結というケースもあります。

年金の受け取り

年金の受け取りは、口座振り込みにしている人が多いと思われます。
銀行口座が凍結されたとき、出金はできなくなりますが、入金はできますので、引き出せない口座に年金がどんどんたまっていくことになります。
生活費を年金で賄っていた場合、大問題になります。

このような場合に、預金を引き出すためには、任意後見人か法定後見人がついている必要があります。
家族信託を利用していた場合は、認知症発症前に信託された財産を本人のために使うことはできますが、発症後に本人の口座からお金を信託口口座に移したりはできません。

法律行為ができなくなる

例えば、老人ホームに入所したいが、手持ちの現金が入所費用に足りないため、もう帰らないであろう自宅を売却しようと思っても、認知症を発症していたらできません。不動産の売却には本人の意思確認が必要になります。入所費用が工面できなければ、希望の施設に入所できないかもしれません。
また、無事入所できたとしても、誰も住まなくなった自宅の維持管理費(固定資産税等)がもったいないから、売却や賃貸をしようと思ってもできません。

このようなときに、任意後見人や法定後見人がついていれば、売却の手続きを取ることができます。ただし、後見人が自宅を売却するには家庭裁判所の許可が必要になり、必ず許可が出るわけではありません。どちらかといえば、非常に難しいです。家庭裁判所は、本人が自宅に戻る可能性があるのかを考え、なかなか許可を出してくれません。
一方で、家族信託の仕組みを使い、自宅を信託財産としていた場合には、受託者の権限で売却したり、賃貸したりできます。

アパート・マンションのオーナーだった場合、入居者の賃貸借契約などもできなくなり、経営に支障をきたします。

中小企業の経営者で、会社の株の大部分を持っていたような場合、議決権が行使できず、会社経営に支障をきたします。

相続対策ができなくなる

遺産分割のために遺言や家族信託をしようと思っても、認知症を発症してしまったら手遅れです。それ以外にも、遺される家族のために相続税対策をしようと思っても、何もできません。特に相続税対策は、本人がいくら家族のために希望していたといっても、本人の財産を一方的に減らす行為になるため、任意後見人や法定後見人がついていたとしても、まずできません。相続税対策は、本人のためではなく相続人のための行為と判断されます。

まとめ

認知症を発症してしまうと、様々な問題が生じます。上記の例はごく一部で、実際になってみると、もっと困ることがあると思います。
認知症を他人事ではなく、自分にも起こりうる問題としてとらえ、遺言や相続と同じぐらいの意識で、対策を検討していただきたいと思います。
認知症はいつ発症するか分からないため、元気な今が検討するベストタイミングであることをご理解下さい。

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