Blog ブログ

Blog

HOME//ブログ//成年後見人の業務

成年後見

成年後見人の業務

目次

成年後見人の業務

成年後見には、法定後見と任意後見がありますが、今回は法定後見人の業務について見ていきます。

法定後見人に就任したら

後見人に就任する場合、被後見人と面識のある場合とない場合があります。
家族や親族が後見人になる場合は、もちろん面識がありますが、弁護士や司法書士等の第三者が後見人になった場合は、後見人になって初めて本人と会うといったこともあります。
後見人になった後に会うということは、本人に判断能力がない状態で会うため、本人の趣味・嗜好や性格等がとても把握しにくいということになります。

① 本人に会う

後見は、できるだけ被後見人の希望に沿った形で行われなければなりません。
上記のように、後見人になって初めて本人に会う場合は、意思疎通が難しいこともありますが、本人へのヒアリングや、家族・施設のスタッフ・看護師等への聞き込みをすることにより、健康状態はどうなのか?、今の生活状況はどうなのか?、今後の生活スタイルの希望は?、財産の状況はどうなのか?、今後予想される本人の健康状態はどうなのか?、等を把握した上で、後見業務を進めていきます。

② 後見人等であることの証明書を取得

後見人になると、家庭裁判所は後見の登記を依頼します。登記が終了すると、後見人に登録番号が送られてきます。登録番号が送られてきたら、自分が後見人であることの証明書を取得しましょう。この証明書がなければ、金融機関等の手続きができません。

③ 後見人の届を提出

後見人に就任したことを役所や金融機関に届け出ることで、被後見人の財産管理等ができるようになります。
提出する先は以下の通りです。

・金融機関(預金の入出金ができるようになる)
・証券会社(口座があれば手続き)
・年金事務所
・役所(医療保険証・介護保険証・納税通知書等の送付先を後見人に変更)
その他


④ 家庭裁判所への報告

後見人等に選任されてから指定期間以内に、家庭裁判所に財産目録と年間収支計画表を提出する必要があります。(家庭裁判所により、提出書類が違うかもしれません)
財産目録は、申請の時に提出しているのですが、後見人としての権限でいろいろな調査ができるようになり、これまでわからなかった財産が見つかるかもしれないため、改めて提出します。
また、年金や負債についても調査し、収支状況を把握して、今後どのように本人の生活を賄っていくのかを考え、収支予定表を作成します。

日常的な業務

後見人の業務として、日常的に行うことは、次のようなものがあります。

① 本人の生活状態や健康状態の確認

定期的に訪問して、本人や周りの人にヒアリングをすることにより、生活状態や健康状態を確認します。困っていることや不安なことがないか、あればその解決方法を検討します。
また、本人に必要と思われる介護サービスを受ける契約をしたり、施設に入所する必要があれば、その手続きをしたりして、本人が安心して暮らせる環境を整えます。

② 収支管理・預貯金の管理

年金の受け取りや家賃の支払い、医療費や生活費、老人ホーム等の費用の支払い、住民税や固定資産税等の支払い、確定申告等の手続きをします。
定期的に通帳の記入をし、お金の出入りや総財産額の把握をしなければなりません。

③ その他

本人宛に来る郵便物の管理もする必要があります。
また、介護認定の更新申請や、年金証書や生命保険証書、火災保険症や不動産の権利証などの管理もします。
健康保険証や介護保険証、障がい者手帳等は、施設に入居している場合は、施設に預けたりします。
取消権のある後見業務では、被後見人が不必要な布団を訪問販売で買ってしまった、不必要なリフォームの契約をしてしまった等の契約を取り消すことができます。

家庭裁判所への報告・報酬の申請

後見人に就任すると、1年毎に家庭裁判所へ、どんな活動をしたか、本人の状況はどうか、収支や財産状況はどうかを通帳のコピーと領収書を添付して報告しなければなりません。

併せて、報酬の申し立てができます。弁護士や司法書士等の第三者が後見人になっている場合だけでなく、親族が後見人になっている場合でも報酬の申立はできます。
報酬は、就任してから1年後の報告時に申請となるため、後払いになり、金額は家庭裁判所が本人の財産状況に応じて決定するため、就任時には分かりません。目安としては、月2万円ぐらいかと思われます。

次回は後見人が直面する問題について解説します。

SHARE
シェアする
[addtoany]

ブログ一覧